30~40歳が転職する時に気をつけたいこと
転職先を見つける時に書類選考や面接は越えるべき大きなハードルですが、この時にスキルや経験、実績が評価ポイントなのは当然のことながら、意外に大きなウエイトを占めているのが過去の退職理由や今回の転職理由です。
このことを見落としている人が多いのですが、退職理由や転職理由はその人の人物像を知るのにとても有力な情報となるため、当落の決め手になることも少なくありません。
人によって転職回数も理由もまちまちですが、過去の退職理由の傾向を見ることで、その人の働くことに対する意欲や何が原因で不満を持ちやすいかなど、その人の価値観や就労感が分かるからです。
現職からの転職理由について、現在の役職や経験のレベルに見合う正当な理由であるかどうか、というのはとても大切なことになってきますので、回答については慎重に準備しておく必要があります。
ですが、退職理由に関しては誰もがどこまで本音で話すべきか悩みます。
それというのも、全て本音で話した場合に相手から誤解されかねない微妙な状況、きちんと自分で反省するべき辞め方だった場合などがあるからです。
たった一度、人に言いづらいような辞め方をしただけで、その後の人生で毎回転職活動をする度にそれについて釈明しなくてはならない、というのはなかなか負担になるものです。
その典型として、人間関係の問題があります。
上司や同僚などとうまくいかず、仕事自体は続けていたかったけれども辞めることになったというような、職場の人間関係が理由で辞めることは誰にでも可能性があることですが、それを正直に話した場合、相手に与える印象はあまり良いものではありません。
何故なら、本当にひどい上司などがいたとしても、そのことを説明することは自然と以前働いていた会社の悪口を言っているように受け止められることが多いからです。
他に嫌われる退職理由として、やりたい仕事が出来なくなったから辞めた、というものがあります。
これは実際に転職活動をしている人からよく聞く退職理由ですが、会社は個人の都合よりも組織の都合を優先させるものですから、会社として決めたことに不満を感じたから転職する、というような思考の人に対して採用する側は警戒心を持っているものなのです。
会社としては、不満を感じる度に社員に辞められていては運営していけません。
評価される転職理由とは
では評価の高い退職理由とはどのようなものなのでしょうか。
転職する人にとって一番多い転職理由として、キャリアアップが挙げられるでしょうが、何がどうキャリアアップなのか、という点がとても大切になります。
給料が上がるというだけではキャリアアップと言うには弱いだけでなく、逆にお金のために転職したという印象を与えかねません。
それよりも、特定の業務に熟練した経験をいかして育成に取り組んだり、全体の成長戦略に責任を持つ挑戦をする、ということのような内容のキャリアアップが退職理由としても評価されるのです。
また、会社都合退職は隠す必要はありません。
ただこの場合、退職理由を簡潔に事実関係だけを伝えるようにします。
せっかく経験やスキル、実績は評価されていても退職理由で不用意な発言をしてしまい、残念な結果になっている人は多いです。
ですから、選考の前に是非とも説得力のある退職・転職理由を作りこんでおくことが必要です。